第一回 偏頭痛(へんずつう)について
杉原脳神経外科クリニックの院長、杉原央一です。定期的に頭痛治療の豆知識や脳神経外科医として思う事などをコラムという形で書いていきますので、よろしくお願いします。
さて、当院は頭痛に関するお悩みでご来院される患者様が多くいらっしゃいますが、頭痛と言っても大きく分けて3種類あると言われています。その3種類・・・「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」のうち、今回は偏頭痛を取り上げてみたいと思います。
偏頭痛(片頭痛、へんずつう)は「偏った頭痛」と読み取れるので、頭部の右側や左側などが偏って痛むタイプの頭痛を言う、と思われてる方も多くいらっしゃるようですが、そうではありません。脳内の血管が何かしらの原因で拡張し、膨らんだ血管に神経が圧迫されて痛む症状を偏頭痛と言います。
偏頭痛は女性に多く見られる症状です。生理に伴う頭痛の多くがこの偏頭痛です。もちろん男性にも起きますが、女性にとっては長い人生、毎月悩まされる事になるとすると非常に重大な問題です。
偏頭痛はまぶしい光や大きな音を苦痛に感じる事が多いので、暗めの部屋に移動してゆっくり休む事が大切かと思います。痛む部分を水枕などで冷やすと症状が軽くなることもあります。温めた方が良い頭痛もあるので、偏頭痛かそうでないかの判断をしっかりする必要はあると思います。
頭痛でもゆっくり休めない事も多くありますから、そういった時に頭痛薬に頼る事はよくありますが「毎回頭痛の度に市販薬を飲む」ということが習慣になってしまうと、身体が薬剤に慣れてしまってより重篤な症状に移行してしまいます。偏頭痛用の頭痛薬と言っても大きく分けて5種類あり、どれが自分に合っているかを医師の診察を受けて処方を受ける事は極めて重要です。
そういった点も含め、偏頭痛に悩まされがちな方は一度、受診をお勧めします。